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人力情報キュレーションブログ - ネタックス

サイバーエージェントが動画元年って言ってるけど...

年末年始、テレビ大好きな私はテレビ漬けでした。

 

テレビが見られてないとかスマホに取られてるとか言われますが、とりあえずお茶の間のエンタメデバイスの王様はもうしばらくはテレビだと勝手に思ってます。

 

ちなみにテレビが王様だという事実を裏付けるのは簡単です。

 

例えば去年ネット動画界隈がざわついたNetflix、いわゆる黒船来航的なイメージで評されることも多かったわけですが、結局、アウトプットデバイスはテレビに求めてます。最近またテレビCM始めたことからもわかりますね(笑)AppleTVしかり、FireTV(Amazon)しかり、配信ネットワークこそインターネットですけどアウトプットデバイスはテレビなんです。なので、いかにテレビに簡単に接続出来るかがとても重要だったりします。

 

さて、お気付きの方もいると思いますが、デバイスとしてのテレビとコンテンツとしてのテレビ(正確にはテレビ番組)とでは意味合いが全く違ってくるのですが、私が上記で言ってるテレビとは両方の意味であって、デバイスとしてのテレビでありコンテンツとしてのテレビ番組のことです。もちろん前者の意味ではまだ当分の間お茶の間に王様として鎮座することは間違いないと思ってますが、後者の意味ではいつネット系コンテンツに逆転されても不思議ではないとも思ってます。そこはゴッチャにはしてませんよ。ただね、よく言われる逆転の意味も不明瞭ではありますが。一般的には視聴率などを指標にしますけどそれにしたって曖昧ですし、そもそもネットコンテンツには視聴率ありませんし。あえて言うなら再生回数とかですか?!まぁ、これにもあまり意味はないと思ってますけど。

 

いずれにしても、テレビ局が制作するテレビ番組がドンドン面白くなくなっているのは間違いなく早晩見られなくなることは今年の年末年始の特番のクソ面白くなさ加減を見ても明らかでしょう。ただ、面白くないのには同情の余地もありまして、いまのご時世、生放送とかでチラッとでもオッパイボロリとかしようものなら抗議の電話が殺到しますし、ちょっと危ないことをテレビに出られるだけで喜ぶ若手芸人にやらせただけでBPOが審査に乗り出したり、まぁ、免許制度事業の限界とでも言いましょうか、規制の緩い何でもありのネットコンテンツに対抗出来るはずもないと言う残念な状況になってるのは誰が見ても明らかです。

 

 

前置きが長くなりましたが、今日の本題はテレビで見る(スマホで見てもいいんですけど)”動画”(動画ビジネス)の話。

 

冒頭に書きましたNetflixですが、年末、ある知人から大苦戦中だという話を聞きました。実はNetflixの日本でのサービス開始時に私もちょっとだけ絡んでたりしてましたので頑張って欲しいとは思ってましたが、Netflixジャパンのスタッフと打ち合わせで感じた印象は(以前ネタックスにもチラッと書きましたけど)「こりゃ、苦戦しそうだな...」です。理由は単純でNetflixが「有料サービス」だから。さらには、日本上陸記念として用意したオリジナルコンテンツのターゲットがいずれも若年層(中高生)だってこと。(テラスハウスとアンダーウェア)

 

中高生がわざわざ金払って見ますかね?!

 

Netflixがいくらネット系の企業だとしてもデバイスがテレビだったら見てる方はテレビ番組と同じ認識しか出来ず、これまで全て無料で見れてたテレビ番組(NHKは除く)に対して、いきなり金払わないと見られませんよ!とか言われても「はぁ?!」としかなりませんて。よしんば、課金コンテンツのことをよく理解してたとして課金してまで見たい番組ってなかなか難しいですよ。さらに、用意したオリジナルのコンテンツが1ヶ月遅れとかで地上波で無料で放送されたりした日には(この事実はあまり知られてなかったりします。積極的にPRは出来ないですよね)誰が見るんだ?!って話。そんなこんなでNetflixが大苦戦してるという話を耳にして実は納得してると言うか予想通りと言うか...。

 

ちなみにちょっと話が逸れますけど、AWAとかLINE MUSICとか、さらにはApple Musicでさえ有料課金は苦戦してるのではないかと勝手に推測してます(正式なリリースがないので何とも言えませんけど)。ただ、LINEとAppleはインフラ事業に近いビジネスを持ってますから、最悪、単体で収益出さなくてもいいと割り切る可能性がありまして、その瞬間利用者にとってはとてもいいサービスとして認知されるわけですが、単独ビジネスとして展開してるAWAはなかなか厳しいのではないかと思います。とりあえず、音楽にしろ動画にしろ勝ち組はAmazonでしょう。あのAmazonプライムサービスの”おまけ”として音楽も動画も提供してしまうというスキームは最強です。同じようなスキームでやれる可能性があるのはドコモとかソフトバンクとかのキャリアなのですけど、まぁ、やらないですね。

 

なかなか本題に行けないのですが、さっき話題に出しましたAWAを展開するサーバーエージェントの藤田社長が自身のブログに以下のような投稿してます。(ここからが本当の本題ですよ!)

 

今年はいよいよ弊社にとって、動画勝負の
年になります。

 

サイバーが新たな動画ビジネスをリリースするというニュースは既に去年発表されてますから知ってる方も多いと思いますが、改めてサイバーが満を持して(?)動画ビジネスに参入するという動画元年になるという社長の決意表明ブログです。意気込みや良しですが、さて、どうなんでしょう...上手く行くのでしょうかね???

 

ブログの記事を読むと藤田社長の並々ならぬ決意みたいなものは感じられるのですが、個人的には上手く行かない気がしてるんですよね。

 

と、ネガティブなことを言うのには一応それなりの理由がありまして、決してキラキラリア充社員だらけのサイバーが嫌いとか、お金持ちな藤田社長が羨ましいってことではありません。私が一番が気になってるのが、藤田社長が言及してる参入タイミングについて。

 

翻ってインターネット側である我々は、
インターネット上で、メディア、広告、
コンテンツといった事業を展開しています。
一方で、通信インフラやデバイス、OS
といったインフラ事業には手を出さない
ことにしています。
だから、参入のタイミングはユーザーの
環境変化に合わせるしかありません。

 

確かにスマホが普及し高速回線が当たり前の今は参入タイミングとしてはバッチリだと思いますが、Netflixのくだりにも書いてる通り、そもそも日本人って課金コンテンツに対しての拒否感と言いますか慣れてない感と言いますか、免疫の無さと言ったら世界中のどの国にも追随を許さないほどぶっちぎりで苦手な人種なのではないかと思ってます。って考えると、課金することに違和感が無くなったタイミングが参入のナイスタイミングだということなわけですが、そんなのいつになるかわかったもんじゃありません。

 

では、誰しもが思わず課金したくなるようなコンテンツを作ればえーやんって話ですが、米国で大成功を収めたNetflixですら苦戦してるいま、動画制作に長けてるのかどうかよくわからないサイバーが超ド級大ヒットコンテンツを作れるとは贔屓目に見てもなかなか難しいのではないかと思ってしまいます。いや、もしかしたら凄い制作陣がいたり凄い制作会社と組んでたりするのかもしれませんので何とも言えないわけですが、いずれにしてもこれまでの手法で作られた動画コンテンツでは今の日本の動画市場に風穴をあけることは無理っす。とりあえず、コンテンツ論については藤田社長はブログ内で1ミリも触れていないのでもしかしたら何か秘策があるのかもしれません。もしくはその逆で何も考えてないか。いずれにしても私にはわかりません(笑)

 

とはいえ、あの藤田社長のことですから何かしらの解を持っての参入でしょうからこれまでとは全く違うコンテンツとかサービスとかの可能性もあるんじゃないかと個人的にはとてもワクワクして見守りたいと思います。超絶期待してます。頑張って欲しいです。

 

少なからず映像制作業界をかじった私としては2016年、動画(映像)の世界で何が起こるのか(起こらないのか)楽しみで仕方ありません。

 

ps
こんなに期待してる理由のひとつは今年は動画ビジネス界隈に動きがありそうだと思ってるから。そう思うひとつの出来事は紅白でのラスボス小林さっちー登場の際のNHKの演出がまさかのニコ動風演出だったこと。ビックリし過ぎて「NHK何があった?!」ってツイートしちゃいましたもん(笑)

こういうことからもわかる通り、2016年、何かが起こりそうな予感めいたものはあります。

置いてかれないようにしっかり付いて行かねば。

 

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